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トルコの日系企業に対する大型シンジケーション・ローンの
組成に至る物語を軸に、国際金融市場を生業の場とする人々の
生き様が描かれる、期待通りに質の高い黒木亮の小説。

味方もたじろぐ毒気がなけりゃ、男稼業はおしまいよ

今よりもシンジケーション・ローンの組成が遥かにおおごとだった
90年代後半――ジャパンプレミアムに喘ぐ邦銀の今西と、
金儲けのために手段を選ばない米投資銀行の龍花を中心に、
国際金融に携わる様々な濃ゆいキャラたちが各々の案件を追う。

買収にロジックなど必要ありませんよ

ジャパン・プレミアムと無策無能な経営陣のせいで
たいしたプレゼンスもなく、存在自体がひどくしょっぱい感じの
邦銀の一員でありながら、ほぼ我が身ひとつで果敢に、そして
ひたすらディールに打ち込んでいく今西の様子には頭が下がる。

そうだ。知らない奴だけが馬鹿を見る。
これが市場の掟だよ


対するはえげつないまでに強欲な機関として描かれる
米系投資銀行――ここまではひどくないとは思うけど。

親が死のうが配偶者が死のうが――
ディールズ・マスト・ゴー・オン。
・・・それがアメリカの投資銀行だ


ディールの様々な局面で次々と降りかかってくる無理難題や
ギリギリと音がするくらいに激しい交渉に思わず手に汗握ったり、
サウンド・オブ・サイレンスの話にふと思いを馳せたり

金があるかないかは、単に選択肢の問題にすぎない。

My word is my bondのくだりの男気にググっと来たり、
ロシア危機の際のマーケットのパニックの様子の描写に
数年前の金融危機や足元のギリシャ動向を重ねてゾッとしたり、

ぶつくさいってないで、マーケット・メークしろ!

そして欧米の投資銀行さえも凌ぐ能力を持つ
日本のとある組織の存在に思わず快哉。

奴らは、リーグ・テーブルにこそ現れないが、
ある意味では世界最強の投資銀行だ


やっぱりこの人の小説は抜群にいい。



黒木亮の青い蜃気楼~小説エンロン
 http://beforeiforget.at.webry.info/201104/article_5.html

黒木亮のエネルギー
 http://beforeiforget.at.webry.info/201012/article_12.html

黒木亮のアジアの隼
 http://beforeiforget.at.webry.info/201007/article_17.html

黒木亮のシルクロードの滑走路
 http://beforeiforget.at.webry.info/201006/article_22.html

黒木亮のカラ売り屋
 http://beforeiforget.at.webry.info/201001/article_18.html

黒木亮の貸し込み
 http://beforeiforget.at.webry.info/200911/article_19.html


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